
2004年10月25日
中越地震
10月23日の夕方、新潟県中越地方で大きな地震がありました。
まずは、被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。
実は私の母の実家が新潟県の十日町市の南部の津南町(長野県境)です。ゆれは少なくとも震度5弱程度だったと思われますが、今のところ連絡が取れていないようです。
今回の地震は震度6強の揺れが3回、6弱、5強も数回あり、1日半経った今日(25日)の朝にも震度5強のゆれがあるなど、特に余震の状況については今までの地震とかなり状況が違うようです。
震度計などのデータによると、阪神大震災の加速度より大きい1000ガル以上を記録したようです。ゆれの内容や継続時間なども影響するため、加速度の大きさがそのまま被害の大きさにつながる訳ではないようですが、今回のエネルギーの大きさは相当なもののようです。
テレビで見る限り、倒壊した家屋もあるようですが、ゆれの大きさの割には無事な建物も多くあるようです(さめた見方で申し訳ありません)。震度が非常に大きかった地域では、家屋の問題もさることながら、地表で断層が動いた部分や、地すべりで被害を受けた部分の問題が大きいように見えました。
こういう地震があると、すぐにそれを問題にし、当社の建物は地震に強いですとか、免震構造が良いとかそんな話が出てきます。ここは少し落ち着いて住宅の耐震性をどうあるべきか考える必要があります。昨日、大津の森の木で家を建てよう!プロジェクトの完成見学会を行いましたが、そこに来られたお客さんも、免震構造はどうだろうかとおっしゃってました。私は、阪神大震災、鳥取地震、今回の地震を見る限り、震度7にびくともしない例えば免震構造の住宅を造って意味があるだろうかと思っています。
震度7にも達する地域では、地表が陥没したり、地すべりを起こしたり、液状化を起こしたりします。そんなところに、まったく被害が起こらない住宅を造っても、住宅ごと押し流されてしまいます。もし自分の建物が大丈夫であっても、隣家が倒壊して倒れてくるかもしれません。震度7(6強なども含んで)ぐらいの地震については、命を失わないような建物をしておく、住宅に不適な場所に家を建てないといったことが重要なのではないでしょうか。
私は、いつも地震の話をするときに、「地震はいつ襲ってくるかわかりません」とお話させていただきます。これは普通、早く対策をしなければという風に取られがちですが、そうではなくて、地震は建物が完成してから何十年も経ってから来るかもしれない、その建物が建っている内に来ないかもしれないということです。
ですから、地震を恐れるがゆえに、木造住宅で言えば、ベニヤ板で固めたような耐震壁を採用してしまうことなどを問題にしているのです。完成したときどんなに強い建物でも、30年ぐらいたったときにベニヤ板が腐って耐力がないような建物はだめだということです。また、耐久性の低い建物だから、30年たったときはもうその建物は壊されてしまっていたというのも問題だということです。
最近の商売は、人の不安や欲望を変に煽り立てるものが多くあります。住まいについても同じです。耐震性が重要であることは間違いありませんが、今こそ、私たち技術者ができるだけ正確で、大きな視点をもって判断することが必要だと思っています。
まずは、被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。
実は私の母の実家が新潟県の十日町市の南部の津南町(長野県境)です。ゆれは少なくとも震度5弱程度だったと思われますが、今のところ連絡が取れていないようです。
今回の地震は震度6強の揺れが3回、6弱、5強も数回あり、1日半経った今日(25日)の朝にも震度5強のゆれがあるなど、特に余震の状況については今までの地震とかなり状況が違うようです。
震度計などのデータによると、阪神大震災の加速度より大きい1000ガル以上を記録したようです。ゆれの内容や継続時間なども影響するため、加速度の大きさがそのまま被害の大きさにつながる訳ではないようですが、今回のエネルギーの大きさは相当なもののようです。
テレビで見る限り、倒壊した家屋もあるようですが、ゆれの大きさの割には無事な建物も多くあるようです(さめた見方で申し訳ありません)。震度が非常に大きかった地域では、家屋の問題もさることながら、地表で断層が動いた部分や、地すべりで被害を受けた部分の問題が大きいように見えました。
こういう地震があると、すぐにそれを問題にし、当社の建物は地震に強いですとか、免震構造が良いとかそんな話が出てきます。ここは少し落ち着いて住宅の耐震性をどうあるべきか考える必要があります。昨日、大津の森の木で家を建てよう!プロジェクトの完成見学会を行いましたが、そこに来られたお客さんも、免震構造はどうだろうかとおっしゃってました。私は、阪神大震災、鳥取地震、今回の地震を見る限り、震度7にびくともしない例えば免震構造の住宅を造って意味があるだろうかと思っています。
震度7にも達する地域では、地表が陥没したり、地すべりを起こしたり、液状化を起こしたりします。そんなところに、まったく被害が起こらない住宅を造っても、住宅ごと押し流されてしまいます。もし自分の建物が大丈夫であっても、隣家が倒壊して倒れてくるかもしれません。震度7(6強なども含んで)ぐらいの地震については、命を失わないような建物をしておく、住宅に不適な場所に家を建てないといったことが重要なのではないでしょうか。
私は、いつも地震の話をするときに、「地震はいつ襲ってくるかわかりません」とお話させていただきます。これは普通、早く対策をしなければという風に取られがちですが、そうではなくて、地震は建物が完成してから何十年も経ってから来るかもしれない、その建物が建っている内に来ないかもしれないということです。
ですから、地震を恐れるがゆえに、木造住宅で言えば、ベニヤ板で固めたような耐震壁を採用してしまうことなどを問題にしているのです。完成したときどんなに強い建物でも、30年ぐらいたったときにベニヤ板が腐って耐力がないような建物はだめだということです。また、耐久性の低い建物だから、30年たったときはもうその建物は壊されてしまっていたというのも問題だということです。
最近の商売は、人の不安や欲望を変に煽り立てるものが多くあります。住まいについても同じです。耐震性が重要であることは間違いありませんが、今こそ、私たち技術者ができるだけ正確で、大きな視点をもって判断することが必要だと思っています。
Posted by 三和総合設計 at 18:04│Comments(0)