
2004年06月29日
ビフォアー&アフター
最近の人気番組にビフォアー&アフターというものがあります。○○の魔術師などといった名前がつけられた建築家が独創的な発想で住まいの増改築を行なうものです。特に女性の方に人気だそうです。建築ジャーナルとういうあまりメジャーでない技術者向けの専門誌に記事が載っていたのですが、かなりいろいろな面で演出があるようです。特に解体については、住まい手が心配になるほど景気よく壊すことになっているようです。住まい手の心配そうな顔と出来上がったときの喜びの顔の対比を狙っているようです。特に気になる部分は工事費ですが、私たち専門家がいつも「あんな費用でなぜできるんだろう」といっていますが、やはり値段は厳しく、宣伝効果を狙い無理して請負をされているようです。まあ、費用のことは、宣伝効果も含めて納得づめですからいいのですが、私にとっては非常に心配なことがひとつあります。それは、構造の問題です。改修される住まいはテレビで見る限り、かなり古い建物が多いのですが、構造部材などが非常に小さいものがかなりあります。予算がもともと厳しいから仕方がないのかもしれませんが、構造的な補強がされることはほとんどないように見えます。それより、じゃまになる壁や天井、床などはどんどん壊されていきます。ただでも古くて木柄が小さい建物の構造的な要素である壁などを壊して絶対問題があるといつも思っています。見違えるような間取りの美しいデザインになった住まいはあと何年ぐらい持つのだろうと心配して見ていました。
Posted by 三和総合設計 at 18:28│Comments(0)