
2005年12月28日
ウッドマイレージ
今日も、朝刊の記事から一言。
京都府の公共工事に府内産の木材等を利用したときの輸送に関するCO2の排出量を計算するとCO2が約83%も削減できるということです。
このCO2の排出量を計算したものがウッドマイレージと呼ばれています。
みなさん、この数字をどうお考えですか。
私は、何年か前からこのウッドマイレージという考え方が提唱されてからずっと思っているのですが、何をわざわざ計算しているのだと思ってきました。
当たり前のことですよね。外国から入ってくる木材は、船を使い遠い国から運ばれ、港からいろいろな経路を経て現場に運ばれます。
国内産の木材は、近くの山にある木材が現場に運ばれるだけです。国内産木材だけは一旦どこか遠いところへ運んでもう一度近くの現場に搬入しなければならないほど特殊な経路が必要ではありません。
計算するまでもなく、ウッドマイレージは国内産、特に地元の県内産木材のほうが少ないのに決まっています。83%削減という数字も考えてみれば当たり前の数字です。
なぜ、こんな数字を出さないといけないのか。数字を出さないと判断できないなさけない世の中になってしまったのではないでしょうか。
そもそもこの83%という数字も、正確ではありませんよね。何でも計算しようとするとわかりにくい値は単純化するか、無視して切り捨てるしか一定の時間で数値化することは難しいからです。だから、この数字を出すよりも、CO2削減のことを考えて、当たり前のように地域の木材を使うことが大事なのです。
数値化するということはある意味わかりやすいことではありますが、その計算の過程にある内容を理解しないまま判断されるという欠点があります。
木造住宅の耐震性などもその一つですね。
特に伝統的な木造住宅やサイズの大きな木材を使いがっちりした組み方をした建物の強度を数値化することはほとんど不可能なので計算上無視されているに近いものがあります。
ある意味仕方がないことなのですが、それをどう扱うかが大事なことです。
私は、建築基準法の基準が建物の最低基準を定めるものであるということを重要視し、余裕のある耐震設計をするとともに、計算に入れ込めないが技術者判断として耐震上有効な要素は積極的に入れ込んでいくことにしています。
要は、数値化、制度化より、技術者の確かな判断が重要であるということが言いたいのです。また、数値化や制度化があまりよくない建物を正当化し、住まい手の判断を鈍らせているということも合せてお話したいことです。
手づくりおもちゃブログも見てくださいね。

京都府の公共工事に府内産の木材等を利用したときの輸送に関するCO2の排出量を計算するとCO2が約83%も削減できるということです。
このCO2の排出量を計算したものがウッドマイレージと呼ばれています。
みなさん、この数字をどうお考えですか。
私は、何年か前からこのウッドマイレージという考え方が提唱されてからずっと思っているのですが、何をわざわざ計算しているのだと思ってきました。
当たり前のことですよね。外国から入ってくる木材は、船を使い遠い国から運ばれ、港からいろいろな経路を経て現場に運ばれます。
国内産の木材は、近くの山にある木材が現場に運ばれるだけです。国内産木材だけは一旦どこか遠いところへ運んでもう一度近くの現場に搬入しなければならないほど特殊な経路が必要ではありません。
計算するまでもなく、ウッドマイレージは国内産、特に地元の県内産木材のほうが少ないのに決まっています。83%削減という数字も考えてみれば当たり前の数字です。
なぜ、こんな数字を出さないといけないのか。数字を出さないと判断できないなさけない世の中になってしまったのではないでしょうか。
そもそもこの83%という数字も、正確ではありませんよね。何でも計算しようとするとわかりにくい値は単純化するか、無視して切り捨てるしか一定の時間で数値化することは難しいからです。だから、この数字を出すよりも、CO2削減のことを考えて、当たり前のように地域の木材を使うことが大事なのです。
数値化するということはある意味わかりやすいことではありますが、その計算の過程にある内容を理解しないまま判断されるという欠点があります。
木造住宅の耐震性などもその一つですね。
特に伝統的な木造住宅やサイズの大きな木材を使いがっちりした組み方をした建物の強度を数値化することはほとんど不可能なので計算上無視されているに近いものがあります。
ある意味仕方がないことなのですが、それをどう扱うかが大事なことです。
私は、建築基準法の基準が建物の最低基準を定めるものであるということを重要視し、余裕のある耐震設計をするとともに、計算に入れ込めないが技術者判断として耐震上有効な要素は積極的に入れ込んでいくことにしています。
要は、数値化、制度化より、技術者の確かな判断が重要であるということが言いたいのです。また、数値化や制度化があまりよくない建物を正当化し、住まい手の判断を鈍らせているということも合せてお話したいことです。
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Posted by 三和総合設計 at 07:40│Comments(0)