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2006年12月18日

ミサワホームの粉飾決算

ミサワホームの販売子会社のミサワホーム九州で売り上げ計上に関して不適切な会計処理がされていたと新聞に記載されています。

その方法は、未完成の住宅について売り上げを前倒しして計上し、粉飾するものです。

このような話はどんな業界にも、どんな企業にもあることではないでしょうか。
もちろん、こんなやり方が良いことだといっているわけではありません。

私が問題だと思うのは、企業の優良を決算書の数字で決めようとすることが常態化していることです。
粉飾決算をして、企業利益が上がっているメーカーの建物がどうしてよい建物だといえるのでしょう。
損をしてでもお客さんのためにがんばっている地域の工務店の方が本当は信頼がおける良い建物を造っていただけるのですが、なかなか本質を見ることが難しいため、どうしても企業力と住まいの優良を同一視してしまうのでしょうね。

話は戻りますが、どんな大手ハウスメーカーでも決算期に向けて売上高をより多くあげたいと「いう話はあります(粉飾までしてということではありません)。
ある在来木造系の大手ハウスメーカーの下請け、いや、孫受けをしていた大工さんに聞いた話ですが、決算近くになるとメーカーから完成を急ぐようにかなりの突き上げがあるそうです。
お客さんが入居を急いで工事を急ぐ場合もありますが、メーカーの都合で決算のために工事が急がされるなんて問題ですね。
もちろん仕事は粗くなってしまいます。
粉飾をするのと、粉飾せずに工事をやたら急がすのとどちらがまだましなのでしょう。
私なら粉飾決算でも良いので、ゆっくり工事を進めて欲しいのですが。。。(もちろんミサワでは粉飾も行い、突貫工事も両方行われていたと推測できますが)

ひどい話だと、お客さんのスケジュールは十分長いので、着工もほって置いたのだが、急にメーカーの決算のために急ぐ必要が出てきて、とんでもないスピードで家を作ってしまったこともあるそうです。

新聞紙上では、住宅メーカーが他の企業と同じように、どこが儲かっているのか。儲かっている企業が優良企業だ。そんな風に扱われています。
その企業の評価をベースに、マスコミ宣伝をがんがん行い、私たちの作る家はよい家ですよと宣伝をする。それを、住まい手も信じてしまう。こんなことが続けられながら、短命な住まいづくりが続けられています。

私が一番嫌いなメーカーの宣伝文句が「そろそろミサワかな」というものです。
そういう宣伝を行う企業の考え方が最も嫌です。

何が良くて、何に力を入れているのか。
そんなことがきっちり理解しながら住まいづくりを進めるのが本当の住まいづくりだと思っています。

私たち設計事務所は、そんな判断を住まい手の方の頭脳や手足の手助けとなって行うためのものなのです。
どうか、地域の優良な工務店(もちろん不良業者もたくさんいますが)の良いところを活かした住まいづくりができるように、住まい手の方々にもご協力をお願いいたしたいと思います。



Posted by 三和総合設計 at 07:41│Comments(0)
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???【?!Blog-Headline】at 2006年12月20日 17:34
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