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2007年01月13日

不二家の消費期限切れ牛乳使用問題を考える

不二家の消費期限切れ牛乳の使用が問題となっています。

調査すると、他にもさまざまな問題が見つかっているようですね。
この問題に対し、不二家の企業体質ではないかと個々の企業の問題であるような表現がされていますが本当にそうでしょうか。

今、日本の企業は大手企業も中小企業もほとんどが激しい競争にさらされています。
洋菓子の業界も同じでしょう。
不二家などは古くから親しまれた洋菓子メーカーですが、後発のメーカーなどの価格競争に同じように巻き込まれて行きます。
そういった中で、企業が利益を出すためには、いつもぎりぎりの採算性が求められているのだと思います。

ですから、日本の企業は(他の国も同じかもしれませんが)いつでもかかる経費は極力抑えながら、一般消費者に受けるものを見つけて行かなくてはなりません。
私がいつも住宅で述べているように、70点の商品作りです。
もちろん消費者に70点に見えてはいけないので、派手な宣伝などで脚色することによって商品の本当の点数とは別に高い評価を得るためにさらに無駄な費用を使うのです。

こんな社会が続く限り、このような問題は何度でも繰り返されるでしょう。
法律の問題を超えるか超えないか。それだけが問われているだけで、本当においしく、新鮮なお菓子を消費者に届けようという姿勢では、企業が成り立たなくなっているのだと思います。
他の企業でも法律には抵触していないが、ぎりぎりの事をしている企業はあるのではないでしょうか。法治国家ですから、法律や制度に接触しないことは大事なことですが、それが帰って物事の本質を見えないものにしてしまっているように思います。

街の小さな手づくりケーキ屋さんなら、本当においしく、新鮮なお菓子を消費者に届けることは可能ですね。
なぜでしょう。最初からお金儲けが第一番になっていないからです。
おいしいお菓子を皆に届けたい。その思いが一番。
しかし、おいしいお菓子を作るには原料費もかかるし、手間代もかかる。
それを理解してくれる方だけに向いて仕事を行い、つくるケーキ職人の生活の糧である賃金はもらわなくてはならない。
そこからケーキの値段が決まってくるわけです。

もう一度書きますが、企業として、お金儲けを目的として事を進めると、本来の目的が達せられないほど無茶な競争社会になってしまっているということです。

私たちの住宅業界も同じです。
とりあえず儲けを確保するために、大量に、安価に物を作り、不当表示とも言える宣伝で脚色して販売する。これが常識です。

皆さんに考えて欲しいことは、いろいろな問題を起こす企業は特別な企業じゃないということです。
不二家だけでなく、他の企業もぎりぎりのところで勝負しているということです。
企業業績の悪化や少しのモラルの低下で同じようなことを起こす予備軍がほとんどだということです。

こういう問題を起こさないためには、ものづくりなどをお金儲けのためにしていない方から物を買うことです。
お金儲けと必要な経費をいただくこととは全く違ったことです。

そのお店がお金儲けが第一の目的なのか、それともおいしいケーキを提供することが第一の目的なのか。ここに明らかな違いがあるのです。

不二家も創業のころは、おいしいケーキを消費者に届けることが第一の目標である夢の多い企業だったと思いますが、今の日本経済のやり方では、まともな感覚の企業はひとつとして存在していけないのではないかと思います。



Posted by 三和総合設計 at 08:13│Comments(0)
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