› 三和総合設計 木の住まいブログ › 法令には違反していない

2007年05月07日

法令には違反していない

連休期間中に、大阪の遊園地エキスポランドで大変な事故がおこりました。

詳細は皆さんももうご存知だと思います。
ここで出てきた話が、またまた建築基準法です。

遊園地のレジャー施設などは建築物ではなく工作物に当てはまるのですが、これをチェックする法律は建築基準法ということになります。
建築基準法の中に工作物に関する項目が少しだけあり、建築基準法のように多くのチェック項目が必要なわけではないので、構造的な面だけをチェックするようになっています。
しかも、工作物とは遊園地で言えばメリーゴーランド、その他で言えば鉄塔など静止していることを前提として考えられていると思われます。
ですから、風神雷神のようなすごい動きをする物体に対する構造的な判断はできるものではないと思います。

そういった中で、いつも責任問題になりますが、車軸が折れたなど運営会社の責任は明白なのですが、発言の中に「法令違反はしていない」というものがありました。
大きな責任を逃れたいための発言だと思いますが、この発言の中にいつも書いている法律によるものの判断の限界が見えてきますね。

こんな事故があるとまたまた法律の強化などの話になりますが、世の中が複雑になる中で法律によるチェックというものの限界を考えなければなりません。

聞くところによると、風神雷神を作ったメーカーはすでに倒産しているらしいですね。
最近ではよくある話です。ブームに乗ってものの販売を行い、後は知らない。こんなものの売り方が普通になっています。
まず、ものの売り買いは信頼あるところから買わなければなりません。
大手の有名なメーカーからというのではなく、最後までアフターをしてくれるということです。

最後にもう一言。
なくなられた方には申し訳ない話ですが、レジャーにしてもなんにしても少しおかしいのではありませんか。
わざわざ、恐怖を感じるような乗り物や体験を求める。それを安全だと信じ込む。そんなことが大きな問題を起こしています。
いつも言っているように、今の経済界は儲かることなら何でもします。
法令などの一応の対応は行いっていますが、本当の責任は取ろうとしません。

建築物でも同じことが言えます。
地震が多い国ですから、高温多湿な国ですから、森林資源が豊富な国ですから、日本の建築物は平屋で木造が標準でした。
そんな中で人間の生活範囲を超える高層建築物などが建てられるようになり、経済性を優先させる中でさまざまな問題が起こるようになりました。

こんなことについて、個々の事象について問題を追及することも大事ですが、日本の進むべき道をもう一度考える必要があるのではないでしょうか。

風神雷神は本当に必要ですか。
レジャーや娯楽は今の形でないとだめですか。
そんなレジャーしか楽しめない今の社会のあり方を考え直す必要があるのではないでしょうか。



Posted by 三和総合設計 at 06:59│Comments(0)
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。