
2007年06月19日
建築基準法の改正
明日、6月20日から改正建築基準法が運用されます。
確認申請審査機関では、駆け込み申請がたくさん持ち込まれているようです。
今回の改正は、皆さんもご存知のように、あの「姉歯事件」を発端とする耐震偽装問題や建築士の資質を問うような部分の改正ということになります。
基準法の改正説明会に行っても、詳細は6月20日にならないとわからないという説明がなされる部分が多かったと聞いています。
自民党の強行採決ではないですが、充分な準備期間が無しでの施行ということで、今後トラブルが続出するでしょうね。
問題のある部分は声を大きくして意見を出す必要がありますが、いつも地方公共団体がそのバリアーになっていました。
「この法律問題あるんじゃないの」と言うと、「そうだね。審査している僕たちもそう思っているんだよ」と言う答えをするのですが、一向に国に意見を通してくれるようなそぶりはありません。
地方の行政マンは、国から来る指令を一方的に伝えるだけ。
今回の改正では、問題が多く出てくるのは見えています。
みんなで問題を国にしっかり届ける努力が必要でしょうね。
ところで、今回の問題の根幹は何なんでしょうか。
細かいところまで審査するようになったということですが、それはなぜでしょうか。
今までどれだけいい加減な設計で許可を取っていたかということです。
お客さんと充分な打ち合わせをしないから、現場が始まって変更が続出する。
変更が可能なように、出来るだけ簡単な図面で済ましておくというような悪循環が起こっていたと思います。
今回の法改正でそういうことを直していこうということでしょうけれども、法律ですべて解決しようとするのには無理があります。
現場が始まるまでにしっかりと打ち合わせし、設計するという考え方が主流にならないといくら法律を改正しても、法律の穴を探して回る行動に出るだけだと思います。
もう一点。
建築物や住まいを金儲けとして考えることです。
これは私がいつも書いていることですね。
日本の社会は資本主義社会ですから、お金儲けが悪いということにはならないのですが、それにも限度があると思います。
コムスンのように福祉を食い物にするものがあるように、生活するのに重要な住まいも食い物にされています。
その根本を直さないと、金の亡者は法律の穴を探して回ります。
もう今回の改正の穴を見つけているかもしれません。
集合住宅は別にかまいませんが、お金を安くするためだけの集合住宅はいかがなものか。それも、住む人が充分チェックできずに建設され、良くない建物だとわかってもローンを抱えているため手放すこともできない分譲住宅。
集合住宅は分譲は不可。賃貸だけしか認めないというぐらいでないとだめではないでしょうか。
問題は建設する事業者と住む人が別だというところにあります。
分譲住宅なら販売してしまえば後は知らないということになってしまいます。
賃貸なら、賃借人がなくなると困るので、いい加減なことは出来ないと思います。
大津市では、最近、湖岸沿いに琵琶湖の眺めが良い分譲マンションがたくさん建設されています。
値段は安いが、琵琶湖への眺望がすばらしいというのが売りですが、そのマンションは既成市街地に対し壁のようにそそり立ち、今まで住んでいた人の琵琶湖への眺望を完全に阻害しています。
そんな思想で建設されている建物を今回の改正でも制限できないでしょう。
本当に良い社会をつくるには法律改正では無理です。
その改正により、改正の案をつくるときに見えなかった部分にひずみが見えてくるだけです。
一番大事なことは、住まい手の皆さんの正しいものを見る目です。
そのあたりを磨いていただくことがなにより大事だと思います。
最近、他の仲間たちと住まいのことを少しでも知っていただきたいと「住まいの小学校」というブログを始めました。
一度見てください。
人気blogランキング参加中。クリックお願いします!
↑ の部分をポチッと押していただくだけでOKです。

確認申請審査機関では、駆け込み申請がたくさん持ち込まれているようです。
今回の改正は、皆さんもご存知のように、あの「姉歯事件」を発端とする耐震偽装問題や建築士の資質を問うような部分の改正ということになります。
基準法の改正説明会に行っても、詳細は6月20日にならないとわからないという説明がなされる部分が多かったと聞いています。
自民党の強行採決ではないですが、充分な準備期間が無しでの施行ということで、今後トラブルが続出するでしょうね。
問題のある部分は声を大きくして意見を出す必要がありますが、いつも地方公共団体がそのバリアーになっていました。
「この法律問題あるんじゃないの」と言うと、「そうだね。審査している僕たちもそう思っているんだよ」と言う答えをするのですが、一向に国に意見を通してくれるようなそぶりはありません。
地方の行政マンは、国から来る指令を一方的に伝えるだけ。
今回の改正では、問題が多く出てくるのは見えています。
みんなで問題を国にしっかり届ける努力が必要でしょうね。
ところで、今回の問題の根幹は何なんでしょうか。
細かいところまで審査するようになったということですが、それはなぜでしょうか。
今までどれだけいい加減な設計で許可を取っていたかということです。
お客さんと充分な打ち合わせをしないから、現場が始まって変更が続出する。
変更が可能なように、出来るだけ簡単な図面で済ましておくというような悪循環が起こっていたと思います。
今回の法改正でそういうことを直していこうということでしょうけれども、法律ですべて解決しようとするのには無理があります。
現場が始まるまでにしっかりと打ち合わせし、設計するという考え方が主流にならないといくら法律を改正しても、法律の穴を探して回る行動に出るだけだと思います。
もう一点。
建築物や住まいを金儲けとして考えることです。
これは私がいつも書いていることですね。
日本の社会は資本主義社会ですから、お金儲けが悪いということにはならないのですが、それにも限度があると思います。
コムスンのように福祉を食い物にするものがあるように、生活するのに重要な住まいも食い物にされています。
その根本を直さないと、金の亡者は法律の穴を探して回ります。
もう今回の改正の穴を見つけているかもしれません。
集合住宅は別にかまいませんが、お金を安くするためだけの集合住宅はいかがなものか。それも、住む人が充分チェックできずに建設され、良くない建物だとわかってもローンを抱えているため手放すこともできない分譲住宅。
集合住宅は分譲は不可。賃貸だけしか認めないというぐらいでないとだめではないでしょうか。
問題は建設する事業者と住む人が別だというところにあります。
分譲住宅なら販売してしまえば後は知らないということになってしまいます。
賃貸なら、賃借人がなくなると困るので、いい加減なことは出来ないと思います。
大津市では、最近、湖岸沿いに琵琶湖の眺めが良い分譲マンションがたくさん建設されています。
値段は安いが、琵琶湖への眺望がすばらしいというのが売りですが、そのマンションは既成市街地に対し壁のようにそそり立ち、今まで住んでいた人の琵琶湖への眺望を完全に阻害しています。
そんな思想で建設されている建物を今回の改正でも制限できないでしょう。
本当に良い社会をつくるには法律改正では無理です。
その改正により、改正の案をつくるときに見えなかった部分にひずみが見えてくるだけです。
一番大事なことは、住まい手の皆さんの正しいものを見る目です。
そのあたりを磨いていただくことがなにより大事だと思います。
最近、他の仲間たちと住まいのことを少しでも知っていただきたいと「住まいの小学校」というブログを始めました。
一度見てください。
人気blogランキング参加中。クリックお願いします!
↑ の部分をポチッと押していただくだけでOKです。

Posted by 三和総合設計 at 06:50│Comments(0)