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2007年11月24日

ニチアスの耐火材性能偽装について

ニチアスの耐火材の性能偽装については以前にもブログに書きました。

その後も栗本鉄工所などの問題なども出ています。
なぜ建築業界にこんな問題が多いのでしょうか。

一つは、日本の企業は建築関連の業種が異常に多いということです。
(私たちもその一つですが)

もう一つは、政治や制度とのからみで利権などがうごめいているということでしょうか。

耐火材の認定ということですが、一般の庶民の住宅にそんな基準は必要でしょうか。
耐火材料や防火材料というものについて、一般の人たちはあまり詳しいことは知らないと思います。

耐火性能にしても防火性能にしても、火に対して絶対耐えるとか絶対燃えないとか言うわけではありません。

耐火にしても防火にしても時間が決まっています。
その時間内に人が建物から避難できるように定められたものです。
一般的な理解としては、不燃材などといえば絶対燃えないものと思っておられる方も多いのではないでしょうか。

ですから、火事になったときに建物が燃えないということではなく、火災になっても逃げる時間稼ぎができるという性格のものなのです。

そんなものに法律で認定基準をとり、制度化するのは公共建築を除きあまり意味がないと思うのですが、公務員の天下り機関としていろいろな建材の認定を行なったりする機関を設置することに意味があるのです。

耐震偽装でもそうですが、問題が起こると法律などが整備されます。
その法律を運用するためにさまざまな機関が新設されたり(耐震偽装ではピアチェック機関)、既存の検査機関などに仕事がどっと流れたりするのです。

建物の性能などは本当はメーカーなどが責任を持つべきものなのですが、それを国の認定とすることにより、天下り機関の仕事がどんどん増えることになります。

報道などでご存知の方もあると思いますが、一つの実験や試験を受けるのに1000万円単位で費用がかかります。
こういった費用をかけられるのは大手の企業のみ。中小の企業はいくら良い製品を持っていても国の認定を取ることは出来ません。

こういった認定制度を作ることは、官僚たち思惑と大手の企業が仕事を独占していきたいという思いが一致したところにあるのです。

それでも企業は費用を抑えるために今回のような偽装をおこなったりします。

建築に関する法律は、何か問題があるごとにふくらみ、何でもかんでも検査や試験が必要な仕組みになってきています。

もう一度、住まいや建物に本当に必要な法律は何なのかを考え直す必要があると思います。

いつも書いていますが、法律は一部の悪人を取り締まるために役にはたっていますが、ほとんど多くの善人の方々は要らない費用を払わされることになっているのです。

法律が改正され、それでも問題が起こったとしたとき、国が責任を取ってくれることはありません。
耐震偽装のために法律が改正されましたが、今後、耐震偽装がまったく起こらないような保障はないのです。

法律や制度に頼らない住まいづくりを目指さないと、訳のわからない住まいをつくってしまうことになります。

住まいをつくって、その住まいが本当に自分にとって良いものなのかを自分で考えるようにしなければならないと思います。

等級がいくつだとか、そんなことより、自分の感覚がすべてだと思います。



Posted by 三和総合設計 at 07:51│Comments(0)
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