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2006年08月23日

改正中心市街地活性化法が施行

街の中心部がさびれるようになって久しい。

大津市の浜大津も昔の賑わいはほとんどありません。
そういったなかで、停滞する市街地の再生を目指す改正中心市街地活性化法が22日に施行されたようです。
郊外での大規模店舗の出店を抑えて、中心市街地に賑わいを戻そうとするものである。
まず、郊外に大規模店舗をつくることはよくないことは間違いないと思います。車の利用が前提になりますから、これからの社会づくりには好ましくないことは間違いないでしょう。
それでは、中心市街地だけが活性化すればよいのかというとそうでもありませんよね。田舎に住んでいるものにとって、街の中心だけが便利になるというのでは納得できません。
私は今の社会のあり方で二つ問題があると思います。一つは店舗の大規模化です。大規模にしないと成り立たない社会にすると、郊外であろうと、中心部であろうといずれにしてもどこかで問題が発生します。
インターネットや物流が発達した時代に、大規模な店舗はなくても良いと思います。もちろん利益を多く上げたい企業にとっては大規模化は重要でしょうけれども、消費者にとってはさほど重要でもなく、むしろそれによってもたらされる問題解決のために無駄な税金をたくさん使われるほうが問題だと思います。
二つ目は自動車の存在です。いつもこの問題が根幹にあるのですがその部分には手を付けられません。もちろん今の社会で自動車の利用を制限すると問題になりますし、私自身も身動きが取れなくなってしまいます。また、日本の基幹産業ですから、それを制限すると日本の経済が立ち行かないようになるという気持ちも働くのだと思います。
しかしながら、この問題を解決しないと本当の問題解決はないのだと思います。
中心市街地が寂れたからそれを活性化する法律をつくる。今度は市街地に車が大量に流入してさまざまな問題を引き起こすといった具合になるでしょう。
中心市街地を活性化させると同時に、公共交通の利用などを進めなければ意味がありませんが、公共交通を再整備するためには自動車の利用を一定制限しなければありえないのです。
しかし、田舎に住むものにとっては、近くの駅まで出かけるための公共交通は全く整備されていないのが現状です。そういう中で公共交通の利用が進むはずがありません。
中心市街地を活性化させるためには、周辺部の問題解決も必須となるのです。
そのあたりをうまく考えれば理想の町づくりが可能なのかもしれませんが、執行する行政マンの能力が必要となります。

今の地方公共団体の行政マンにその能力が少し欠けていると思います。
自分達の街のことを自分達が考える。これが重要なのですが、地方公共団体の行政マンは国が決めたことをただ執行するだけといったケースがほとんどです。
今回の中心市街地の問題でもさまざまな事象を同時に考えて動くことができるのでしょうか。

話は少し変わってしまいますが、物事を考える方法は設計と似ています。その時の目の前の問題だけ考えて設計すると、その問題は解決するけれど後になってさまざまな問題が出てきてしまうということです。
うまい設計は起こりうる問題をすべて予測し、それに向けて最善の解決策を見出すことです。ですから、ベターな選択と言うことになります。ベストの選択は難しいのです。当面の問題のみにベストな解決策を求めると、総合的には良い結果ではなくなることが多いのです。
地方公共団体の行政マンは縦割りで、かつ物事を総合的に見る訓練がされていません。明らかに他に問題が発生することが見えていても平気と感じてしまうことがよくあります。

これからの社会づくりに市民参加を増やし(エゴではなく)、無駄の無い社会を作っていきたいものです。



Posted by 三和総合設計 at 07:11│Comments(0)
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