2010年02月11日

京都市地下鉄の赤字

今朝の新聞記事に、京都市地下鉄の赤字について掲載されていました。京都市地下鉄の赤字

地下鉄は巨額な建設資金を要し、企業債残高は約5千億、累積資金不足は310億円に昇り、全国の地下鉄事業者の中でも最悪の経営状況だそうです。

地下鉄と言えば、私の大学時代を思い出します。
大学では都市計画を専攻し、交通問題を勉強していました。
ちょうどそのころ、京都市の市電を廃止し、地下鉄の建設を行うという方針が出されていました。

お年寄りなどのことを考えると、駅間が広く、地下に駅がある地下鉄よりも、市電のほうが早くて便利であるという研究などもされていましたが、車社会に押されて、市電は廃止され、地下鉄建設となりました。

その地下鉄が、建設時の費用が負担になって、未だに赤字が解消されないようです。

京都市では、地下鉄や市バスに支援をするようですが、根本的なことを考えなければなりませんね。
地上では、どんどん道幅が拡幅され、公共事業の名の下に道路が整備されていきます。
忙しい社会になり、ドア・ツー・ドアの車はさらに便利なものになり、地下鉄や市バスは市民の足といいながら、通勤や通学、お年寄りや子どもの利用はあるものの、積極的に利用されなくなっています。

特に、京都市内にはコインパークも増え、今まで駐車場に困っていた地区にも車が入るようになりました。

こういう中で、公共交通の再生は非常に難しいものがあります。
税金で補填するのも仕方がないことですが、そろそろ車を制限したり、車から税金を取って地下鉄の赤字補填に使うことも考えなければなりません。

車に掛かる経費が高くなれば、公共交通を利用するようになる。
このあたりまえのことが出来ないのです。

日本の経済は自動車が引っ張ってきたという考えが未だに強いのです。
もし、そうだとしても、それをいつまでも続けるわけにはいきません。

大学時代に読んだ本、「自動車の社会的費用」。
自動車が走ることによってもたらされる負の費用。
これを自動車に付加しないから、いつまでたっても自動車が便利で、公共交通は不便ということになってしまいます。

私達にとって一番便利なのはタクシーでしょうか。
自分で所有しないけれど、呼べば来てくれるし、どこへでも行ってくれる。
でも費用が高いから、近くで便利の良いところへは、公共交通などを利用しますね。

それと同じように、車に乗るか、公共交通に乗るか。
その選択のラインを少し公共交通側になるように調整しなければ、私達は大切な足を失ってしまいます。

例えば、市内にあるコインパーキングから税金をとり、公共交通の補填に使う。
町並みが歯抜けになって良くないことを防ぐことも出来ます。

単純に、全国の公共交通の赤字分を自動車のガソリンに負荷する方法もあると思います。
そうすると、いつも車に乗っている人でも、税金が高くなるのは困るので、公共交通を利用しても困らないときは公共交通を使うようになるでしょう。

一番問題なのは、車が便利すぎることです。

最近はどこへ行っても十分な駐車場が確保されています。
マンションを建設するにも、駐車場が確保されていないと確認申請が降りないようになっています。

もう一度、日本の仕組みを考え直しませんか。
車を捨てるとまでは言いませんが、車をもう少し制限することにより得られることはいっぱいあると思います。

地産地消、地域活性化。
こんなことも考えられます。
もちろん車なしで生活できない地域への配慮は必要です。

そろそろ、企業を太らせて、そのおこぼれで楽しく暮らすという考え方をやめ、どうすれば国民、県民、市民が豊かに暮らせるのかを考えなければならないと思います。

あちらを立てればこちらが立たずという言葉があります。
世の中、すべてそうです。
あるべき姿を追求しようとすると、どこかを制限しなければなりません。

それに耐えることなく、文句ばかり言っていても絶対に答えはありません。


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