2013年04月20日
都市部での木造建築
最近、大都会で中層建築物の木造建築が建ち始めたことが話題になっています。
まだまだ、建築関係じゃない方は知らない方も多いと思いますが、建築雑誌や建築関係のニュースで都市部のビルを木造で建てることが進められてることが紹介されています。
防火性能の実験などが進められ、安全性が確認されたため、今までの2~3階の住宅以外も木造で造ろうというものです。
なんでもかんでもコンクリートや鉄骨でという考え方でないことは良いことだと思います。
コンクリートの建物や鉄骨の建物は長持ちすると見られていましたが、実は50年ぐらい建つといろいろ問題が発生し、意外と長持ちしないということがわかってきました。
それに変わって、素材自体は腐ることやシロアリにやられることの対策が可能であれば、木造の方が長持ちするという考え方もあるのだとポもいます。
木造中層建物が建てられるようになったことは良いことだということはそうだと思いますが、問題を少し提起したいと思います。
一番の問題は、一過性のブームではないかということです。
木造建築に取り組んでおられる構造の研究者の方は別として、木造建築を建てようとしている人が有名な建築家であるということです。
以前にも書きましたが、有名建築家というのはあってもいいと思いますが、あまりその動きに振り回されるとロクなことはないと思っています。
京都の北山通りなどに有名な建築家であるT氏が建てたコンクリートの打ち放しの商業建築が入居者が少なくて空家になっています。
大津市にもあまりテナントが入らないビルがありますね。
有名な建築家というのは、時代の先端を追うかもしれませんが、時代の将来の責任をもってくれることはほぼないと考えてよいと思います。
そういった建築家がいくら都市部で木造のビルを作ったとしても、本当に日本の木の文化を見直すことになるかというとすごく怪しいと思います。
法隆寺をはじめとして、日本の木造建築物が長持ちしているのは事実ですが、解体修理などを行ってメンテナンスをしているからなのです。
古いお寺の柱などをよく見ると、柱の下部で継いでいるのが見られると思います。
このように、腐った部分を取り替えたりできるのが木造建築の良いところであり長持ちする要因なのですが、防火性を考え、木の本質を殺した形で利用することが本質的な使い方かというとそうではないと思います。
あえて悪い言い方をすれば、有名建築家によくある自分売り込みのようなものに思えてしまいます。
少しきつい書き方をしましたが、木造建築がいろいろと建てられることは嬉しいことですが、もっともっと違う利用の仕方があるのじゃないかということです。
日本ではまだまだ木造住宅が多く建てられています。
今後も木造建築は多く建てられ続けるでしょう。
でも日本の森林は疲弊しています。
木造といっても外国から輸入された、高温多湿の日本においては腐りやすい木材がどんどん使われています。
日本の木は輸入材に比べて少し価格が高く、使いにくいという理由だけで、日本の山が荒れることも無視して外国から輸入された木材が使われています。
こんな中で都市部に木造建築が建てられるということを喜べるでしょうか。
中層木造建築を木造で建てると確実にコンクリートの建物などより高くつくと思います。
それが本当に許されるなら、ホンの少し高いだけの住宅にもっと日本の木(性能が良い)を使って欲しいものです。
マスコミも都市部に木造が建つことを記事にするなら、同じぐらい日本の住宅が外国製の集成材で作られていることの問題を取り上げてほしいものです。
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三和総合設計は、Forward to 1985運動に賛同しています。

まだまだ、建築関係じゃない方は知らない方も多いと思いますが、建築雑誌や建築関係のニュースで都市部のビルを木造で建てることが進められてることが紹介されています。
防火性能の実験などが進められ、安全性が確認されたため、今までの2~3階の住宅以外も木造で造ろうというものです。
なんでもかんでもコンクリートや鉄骨でという考え方でないことは良いことだと思います。
コンクリートの建物や鉄骨の建物は長持ちすると見られていましたが、実は50年ぐらい建つといろいろ問題が発生し、意外と長持ちしないということがわかってきました。
それに変わって、素材自体は腐ることやシロアリにやられることの対策が可能であれば、木造の方が長持ちするという考え方もあるのだとポもいます。
木造中層建物が建てられるようになったことは良いことだということはそうだと思いますが、問題を少し提起したいと思います。
一番の問題は、一過性のブームではないかということです。
木造建築に取り組んでおられる構造の研究者の方は別として、木造建築を建てようとしている人が有名な建築家であるということです。
以前にも書きましたが、有名建築家というのはあってもいいと思いますが、あまりその動きに振り回されるとロクなことはないと思っています。
京都の北山通りなどに有名な建築家であるT氏が建てたコンクリートの打ち放しの商業建築が入居者が少なくて空家になっています。
大津市にもあまりテナントが入らないビルがありますね。
有名な建築家というのは、時代の先端を追うかもしれませんが、時代の将来の責任をもってくれることはほぼないと考えてよいと思います。
そういった建築家がいくら都市部で木造のビルを作ったとしても、本当に日本の木の文化を見直すことになるかというとすごく怪しいと思います。
法隆寺をはじめとして、日本の木造建築物が長持ちしているのは事実ですが、解体修理などを行ってメンテナンスをしているからなのです。
古いお寺の柱などをよく見ると、柱の下部で継いでいるのが見られると思います。
このように、腐った部分を取り替えたりできるのが木造建築の良いところであり長持ちする要因なのですが、防火性を考え、木の本質を殺した形で利用することが本質的な使い方かというとそうではないと思います。
あえて悪い言い方をすれば、有名建築家によくある自分売り込みのようなものに思えてしまいます。
少しきつい書き方をしましたが、木造建築がいろいろと建てられることは嬉しいことですが、もっともっと違う利用の仕方があるのじゃないかということです。
日本ではまだまだ木造住宅が多く建てられています。
今後も木造建築は多く建てられ続けるでしょう。
でも日本の森林は疲弊しています。
木造といっても外国から輸入された、高温多湿の日本においては腐りやすい木材がどんどん使われています。
日本の木は輸入材に比べて少し価格が高く、使いにくいという理由だけで、日本の山が荒れることも無視して外国から輸入された木材が使われています。
こんな中で都市部に木造建築が建てられるということを喜べるでしょうか。
中層木造建築を木造で建てると確実にコンクリートの建物などより高くつくと思います。
それが本当に許されるなら、ホンの少し高いだけの住宅にもっと日本の木(性能が良い)を使って欲しいものです。
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Posted by 三和総合設計 at 07:52│Comments(0)
│変だぞ!今の住まいづくり(正)