2014年10月18日
大津市庁舎の建替え計画について
今朝の新聞記事に大津市庁舎の建替え計画について書かれていました。
記事によると、現庁舎の隣接の国の財務局の土地を購入して建てるそうです。事業費は170億円だそうです(案の段階ですが)。
その理由は、建築から40年以上経過し、老朽化し耐震不足としています。
本当でしょうか。
私は仕事の関係で市役所にはしょっちゅう行きます。
最近のデザインではありませんが、佐藤武夫事務所が設計したコンクリート打放しの建物で、安藤忠雄氏のように奇抜な発想で作られているものではなく、落ち着いた市庁舎らしい建物です。
老朽化を感じたことはありません。
耐震性については、建設後耐震基準が変わったので耐震性が不足とされていますが、こちらは対応策がいくらでもあります。
ご存知の形も多いと思いますが、建物にかかる地震力は建物の重さに地震の加速度をかけたものになります(物理でF=maというのを習ったことがあると思います)。
ですから、耐震性能を上げるために住宅などでも重い土葺き瓦屋根を軽い瓦や金属板に変えたりすることがされたりしていることを見てもわかると思います。
では、コンクリートの建物は簡単に重量を減らすことができないじゃないかという意見も出そうですが、方法はあります。
建築物の耐震性を計算するときの重さは、建物の自重だけでなく積載荷重というものを加えるのです。
つまり、今の5階建ての建物の4階や5階を使わないようにするだけで重さがかなり違ってきます。
市役所の5階に行ってみるとわかりますが、昔使われていた食堂は営業していないし、残りの部分の多くはサロンのようなものになっていて実際、市役所の機能の課は一つぐらいしか使っていません。
さらに、旧庁舎の後に建てられた新館には、他の市町村では民営化されている水道やガスに関する企業局がかなりのスペースを占めています。そちらをうまく利用すれば、4階部分も使わない方法もあると思います。
他にもよくやられている耐震補強という手もあり、耐震に関する手がないとはまったく言えないと思います。
皆さん、近くの小中学校や高校を見たことありますか。
外から見て窓に鉄骨のばってんが入っていて、いかにも見苦しい耐震補強がされているのを見たことあると思います。
中に入ると予算不足でペンキがはがれていたり、トイレの隔て板が割れていたり、悲惨な状況であったりします。
地域の保育園や幼稚園も古くて建替えるべきものもたくさんあります。
170億円もあれば、20棟ぐらいの保育園を建替えることもできるのではないかと思います。
今後、人口も減少しますし、公務員の数も減らしていく必要もあります。
人口減少がないとしても、公務員の数は減らさなければいけないと思います。
いろんな制度や決め事をつくり、善良な市民にだけ申請などの手間を掛けさせ、自分たちで余分な仕事を作っていると思います。
公務員の仕事というのは大切なものですが、ひとつの課に課長、係長、主任ぐらいならよいのですが、課長級、課長補佐、課長補佐級など年功序列でだぶついていることも考えなければなりません。
申請を提出するとその表紙に入りきらないほどの職員の印鑑を押すスペース。
時間もかかるし、費用もかかる。
そんな公務員の器を作るより、保育園、幼稚園、小学校、中学校の整備にお金をかけたほうがよいでしょう。
そもそも40年ぐらいで老朽化なんて馬鹿にした話です。
昔の木造住宅ならしっかり造ったものなら100年以上は持ちます。
RCの建物は意外と耐用年数が低いのですが、それでも40年で老朽化はないでしょう。
老朽化や耐震性不足ではなく、とりあえず理由をつくり壊して建替えたいということではないでしょうか。
今は大津市に合併になりましたが、旧志賀町の庁舎を考えてみてください。
豪華な庁舎が無駄となっています(使ってはいますが、前向きなものではありません)。
単純に古くなったから壊そうではなく、いろいろ知恵をしぼるべきであり、建物だけではなく、公務員、市の業務のあり方も含めて考えると答えはあると思います。
子どもたちが学ぶ学校に見苦しい鉄骨ブレースの耐震補強をしながら、市庁舎の建替えはありえない話だと思います。
今回の報告書は市庁舎整備計画検討委員会というところが出したもののようですが、一度、市庁舎を建替えずにいけないかを検討する委員会を作り報告書を作ってもらったらどうでしょう。
同じ紙面の中に、同じ滋賀県の市である彦根市庁舎の耐震化工事について書かれていました。
これからの世の中、いかにお金をかけずに豊かで幸せに生活するかが重要です。
市庁舎もお手本となってほしいですね。
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三和総合設計は、Forward to 1985運動に賛同しています。

記事によると、現庁舎の隣接の国の財務局の土地を購入して建てるそうです。事業費は170億円だそうです(案の段階ですが)。
その理由は、建築から40年以上経過し、老朽化し耐震不足としています。
本当でしょうか。
私は仕事の関係で市役所にはしょっちゅう行きます。
最近のデザインではありませんが、佐藤武夫事務所が設計したコンクリート打放しの建物で、安藤忠雄氏のように奇抜な発想で作られているものではなく、落ち着いた市庁舎らしい建物です。
老朽化を感じたことはありません。
耐震性については、建設後耐震基準が変わったので耐震性が不足とされていますが、こちらは対応策がいくらでもあります。
ご存知の形も多いと思いますが、建物にかかる地震力は建物の重さに地震の加速度をかけたものになります(物理でF=maというのを習ったことがあると思います)。
ですから、耐震性能を上げるために住宅などでも重い土葺き瓦屋根を軽い瓦や金属板に変えたりすることがされたりしていることを見てもわかると思います。
では、コンクリートの建物は簡単に重量を減らすことができないじゃないかという意見も出そうですが、方法はあります。
建築物の耐震性を計算するときの重さは、建物の自重だけでなく積載荷重というものを加えるのです。
つまり、今の5階建ての建物の4階や5階を使わないようにするだけで重さがかなり違ってきます。
市役所の5階に行ってみるとわかりますが、昔使われていた食堂は営業していないし、残りの部分の多くはサロンのようなものになっていて実際、市役所の機能の課は一つぐらいしか使っていません。
さらに、旧庁舎の後に建てられた新館には、他の市町村では民営化されている水道やガスに関する企業局がかなりのスペースを占めています。そちらをうまく利用すれば、4階部分も使わない方法もあると思います。
他にもよくやられている耐震補強という手もあり、耐震に関する手がないとはまったく言えないと思います。
皆さん、近くの小中学校や高校を見たことありますか。
外から見て窓に鉄骨のばってんが入っていて、いかにも見苦しい耐震補強がされているのを見たことあると思います。
中に入ると予算不足でペンキがはがれていたり、トイレの隔て板が割れていたり、悲惨な状況であったりします。
地域の保育園や幼稚園も古くて建替えるべきものもたくさんあります。
170億円もあれば、20棟ぐらいの保育園を建替えることもできるのではないかと思います。
今後、人口も減少しますし、公務員の数も減らしていく必要もあります。
人口減少がないとしても、公務員の数は減らさなければいけないと思います。
いろんな制度や決め事をつくり、善良な市民にだけ申請などの手間を掛けさせ、自分たちで余分な仕事を作っていると思います。
公務員の仕事というのは大切なものですが、ひとつの課に課長、係長、主任ぐらいならよいのですが、課長級、課長補佐、課長補佐級など年功序列でだぶついていることも考えなければなりません。
申請を提出するとその表紙に入りきらないほどの職員の印鑑を押すスペース。
時間もかかるし、費用もかかる。
そんな公務員の器を作るより、保育園、幼稚園、小学校、中学校の整備にお金をかけたほうがよいでしょう。
そもそも40年ぐらいで老朽化なんて馬鹿にした話です。
昔の木造住宅ならしっかり造ったものなら100年以上は持ちます。
RCの建物は意外と耐用年数が低いのですが、それでも40年で老朽化はないでしょう。
老朽化や耐震性不足ではなく、とりあえず理由をつくり壊して建替えたいということではないでしょうか。
今は大津市に合併になりましたが、旧志賀町の庁舎を考えてみてください。
豪華な庁舎が無駄となっています(使ってはいますが、前向きなものではありません)。
単純に古くなったから壊そうではなく、いろいろ知恵をしぼるべきであり、建物だけではなく、公務員、市の業務のあり方も含めて考えると答えはあると思います。
子どもたちが学ぶ学校に見苦しい鉄骨ブレースの耐震補強をしながら、市庁舎の建替えはありえない話だと思います。
今回の報告書は市庁舎整備計画検討委員会というところが出したもののようですが、一度、市庁舎を建替えずにいけないかを検討する委員会を作り報告書を作ってもらったらどうでしょう。
同じ紙面の中に、同じ滋賀県の市である彦根市庁舎の耐震化工事について書かれていました。
これからの世の中、いかにお金をかけずに豊かで幸せに生活するかが重要です。
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Posted by 三和総合設計 at 08:22│Comments(0)
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