2008年09月01日

防災の日

防災の日今日は防災の日。
私たち、建築関連の者にとって大きな脅威は地震ですが、最近はそうばかりいってられない状況ですね。

テレビの報道では大雨の被害が伝えられています。
地震に強い住まいを造るとすれば、耐震構造、制震構造、免震構造などさまざまな方法がありますが、河川の氾濫により床上浸水するのに対する方策は住まいが個別に対策することでは防げないですね。

地震についても同じことが言えます。
東北地方で起こった大規模な土砂崩れや大きな地震で起こるであろう津波なども個別の対応では対策が打てません。

それではどうしたらよいのか。
堅固な構造物を作ることを考えても限界があります。
結局、自然の脅威をしっかり受け止め、社会のあり方を考えることが重要だと思います。

大きな災害は人間が考える範囲を超えることがあります。
その脅威に対して、すべて押さえ込もうとしても限界があるのです。
それよりもそういった災害が起こったときにどのような対応をするのか、そういったことが重要になりますね。
変に恐怖感をあおって、免震構造などを住まい手に押し付け、多額な費用を出費さそうとするハウスメーカーなどのやり方には賛成できません。

住まいの造り方はあくまで自然体がベスト。
近くにある材料を丁寧に職人が施工する。
そこに今まで得られた知識を入れ込んで住まい作りをする。
それでも自然の脅威はそれを超えることもあると考える。

いくら高額な免震構造などの技術を活かして住まいを造っても、本体が30年程度しか持たない住まいだとしたら、その技術は活かせることはありません。

大きな地震がその住まいを襲う確率は少なくとも数百年に一回程度なのです。
その地震を恐れすぎず、しっかりとした対策を講じながらも、毎日の生活がうまくできるような住まいを作ることが大事なのです。

今や何でも商売の道具とされてしまいます。
バリアフリーにしてもシックハウスにしても同じことでした。
もちろんそういったブームがくることにより、全体のレベルは上がるのですが、無駄な法律などが制定され、自由度が減ったり、法律で定められないような事柄は切って捨てられることになってしまっています。

防災の日を設定し、来るべき地震に備えることは重要ですが、防災の日が住まいを販売する営業手段になっては困るのです。
では、どうしたらよいのか。
答えはひとつずつ違います。生活する人、その地域などによって対策はさまざまです。
法律や制度で対策をしようと考えるとまた大切なものを失ってしまいます。

技術者の確かな知識を利用して個別に対策を考える必要があると思います。


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