2009年04月25日

JR事故より4年

JR福知山線の事故より4年がたちました。JR事故より4年

大変な事故でしたが、あの事故は今の社会の問題点を大きくあらわしたものですね。

JRの前進は皆さんもご存知だと思いますが国鉄ですね。
国鉄といえば国労、動労といった組合活動が盛んだったところ。

公務員であることも合わせて、経営体質が問題視され、民営化ということになりました。

民営化はその後もいろいろと進められ、経営的な考え方は効率化されたかもしれませんが、結果は大きな問題を残したということです。

私は、大学時代建築学科ではありましたが、卒論は都市計画の中の交通問題が専門でした。
その関係で、交通の問題については大きな関心があり、いろいろな思いを持っています。

日本は資本主義の国だから仕方が無いのかもしれませんが、交通問題を解決するには自由に任しておけば必ず問題にぶち当たります。
利益を追求することが、福知山線の事故につながるようなことも考えられますが、他にも自動車との問題、地域格差の問題、いろいろな場面で解決が難しくなります。

資本主義の世の中であっても、民営化しては良くないものもたくさんあると思います。
経営体質の問題、採算の問題と民営か国営かということは本来、関係の無いことです。

経営体質と国営が関係あるとしたら、各地の地方公共団体はすべて民営化されなければならないということになります。
公務員であっても、無駄なお金を使わない感覚は必要なのですが、それと民営化は別に考えなければなりません。
もし、市役所が民営化されたら、儲からない部門はすべて切り捨てということになりますね。

JRは民営でもいいじゃないかということを思う方もおられるかもしれませんが、多くは都市部に住んでいる人でしょう。
地方へ行くとJRが唯一の公共的な交通機関というところはたくさんあります。
しかも、路線単独で考えると赤字の路線がほとんどでしょう。

JRにとっては早く路線を廃止したくてたまらないのでしょうけれど、いろいろないきさつで何とか維持されているのだと思います。

日本の交通体系をこのまま野放しにし、高速道路をはじめとする道路網をどんどん建設していけば、さらに地方の路線は採算が取れなくなり、近いうちに廃線に追い込まれるでしょう。

でも、これからの社会、つまり循環型社会、持続可能な社会を考えたときに、鉄道輸送というのは大事なものです。
テレビでコマーシャルされていますが、モーダルシフト(地球に優しく、大量輸送が可能な海運または鉄道に転換すること)というのは大切なことです。

そういったことを考えるとき、鉄道が民営であり、路線ごとの採算ばかり考えていたら、実現は不可能です。

事故後4年がたちましたが、事故以後の改善で安全が高まったと考えているJRの乗務員は3割程度だそうです。
鉄道のあり方をもう一度見直し、経営的な追求からはずすことを考えないと、根本的な改善にはいたらないのではないでしょうか。


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この記事へのコメント
ビルの中に折り畳まれるように重なり合っている電車が今でも鮮明に焼きついています。想像を絶するとはまさにこの事故の事を指すのだと思います。
 大きくは経営体質や民営化やと原因が言われていますが、基本は個人の技術・経験・想像力の欠落にあります。私は毎日トラックで高速を走りますがこのカーブは何キロなら大丈夫か、その日の積荷によっても大きく変わります。天候にも大きく左右されます。
 しかし、そうした経験や技術を奪ってしまう圧力が組織の中 にあれば本人は減速したくてもできなかった。あるいは危険を承知した上で加速していたのかも知れない。
 とすれば、利益に支配された経営体質に根本原因があったと考えざるを得ない。秒キザミのダイヤのなかで遅れが指導の対象となり乗客の安全よりも規則が優先される体質には
背筋が寒くなります。
 学校教育よりもこうした社会の中にこそ“ゆとり”が必要となります。ゆとりがないから偽装が起こります。ゆとりがないから品質が劣化します。ゆとりがないから人間が鬼畜になります。聖香ちゃん1週間もベランダになんて言葉も出ません。
 
Posted by くりちゃん at 2009年04月25日 14:27
くりちゃんさん

そうですね。
資本主義社会は、ゆとりをお金に換算するのではないかと思っています。

ゆとりが、そのままお金になって残ればまだ良いのですが、そのゆとりを企業間の競争に持ち込み、まったくゆとりの無い社会が作られ、さらにゆとりの無くなったところを何とかしようと一線を越えた状態が作られてしまうのだと思います。

どんな世の中が良いのか。
簡単にはいえませんが、今の形が良いとは絶対いえません。
今、社会に生きている人々が、将来を考え、もう一度社会を見直すことが重要だと思います。
Posted by 三和総合設計 at 2009年04月25日 20:28
美と幻視単位さん

日本では、物をたくさん受注すると単価が安くなる。つまり、少しおまけしましょうということになる。
資本主義の常識では、儲けが大きくなるのだから、少し単価を下げるということになります。

その調子で、東南アジアの田舎町で、たくさん発注するから、単価を下げてほしいといったところ、たくさん発注されるなら、単価は高くなるよといわれたそうです。

なぜなら、そんなにたくさん頼まれれば「しんどい」から。。。

日本や資本主義社会の常識が、世界で通用するとは限りません。
自ら苦しみを増やし、幸せになったつもりになっている社会構造を世界に広めてほしくないですね。
Posted by 三和総合設計 at 2009年04月26日 07:10
美と幻視単位さん

間違えて、せっかく書いていただいたコメントを消してしまいました。
不慣れなもので、お許しください。。。
Posted by 三和総合設計三和総合設計 at 2009年04月26日 07:46
美と幻視単位さんのコメントがメールから見つかりましたので、再掲させていただきます。前前々掲のコメントと順番を逆にしてお読みください。


美と幻視単位さん

ネットの有名な書き込みから。



メキシコの田舎町。海岸に小さなボートが停泊していた。
メキシコ人の漁師が小さな網に魚をとってきた。その魚はなんとも生きがいい。
それを見たアメリカ人旅行者は、
「すばらしい魚だね。どれくらいの時間、漁をしていたの」
と尋ねた。 すると漁師は
「そんなに長い時間じゃないよ」
と答えた。旅行者が
「もっと漁をしていたら、もっと魚が獲れたんだろうね。おしいなあ」
と言うと、漁師は、自分と自分の家族が食べるにはこれで十分だと言った。
「それじゃあ、あまった時間でいったい何をするの」
と旅行者が聞くと、漁師は、
「日が高くなるまでゆっくり寝て、それから漁に出る。戻ってきたら子どもと遊んで、女房とシエスタして。夜になったら友達と一杯やって、ギターを弾いて、歌をうたって… ああ、これでもう一日終わりだね」
すると旅行者はまじめな顔で漁師に向かってこう言った。
「ハーバード・ビジネス・スクールでMBAを取得した人間として、きみにアドバイスしよう。いいかい、きみは毎日、もっと長い時間、漁をするべきだ。それであまった魚は売る。お金が貯まったら大きな漁船を買う。そうすると漁獲高は上がり、儲けも増える。
その儲けで漁船を2隻、3隻と増やしていくんだ。やがて大漁船団ができるまでね。そうしたら仲介人に魚を売るのはやめだ。自前の水産品加工工場を建てて、そこに魚を入れる。
その頃にはきみはこのちっぽけな村を出てメキソコシティに引っ越し、ロサンゼルス、ニューヨークへと進出していくだろう。きみはマンハッタンのオフィスビルから企業の指揮をとるんだ」
漁師は尋ねた。
「そうなるまでにどれくらいかかるのかね」
「二〇年、いやおそらく二五年でそこまでいくね」
「それからどうなるの」
「それから? そのときは本当にすごいことになるよ」
と旅行者はにんまりと笑い、
「今度は株を売却して、きみは億万長者になるのさ」
「それで?」
「そうしたら引退して、海岸近くの小さな村に住んで、日が高くなるまでゆっくり寝て日中は釣りをしたり、子どもと遊んだり、奥さんとシエスタして過ごして、夜になったら友達と一杯やって、ギターを弾いて、歌をうたって過ごすんだ。どうだい。すばらしいだろう」
Posted by 三和総合設計三和総合設計 at 2009年04月26日 09:05
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