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2012年02月13日

もう一度日本の山のことを考える

昨日、私の出身の町(今は隣町に住んでいます)で「南滋賀の里山を守る会」が発足しました。もう一度日本の山のことを考える

メンバーは地元の山主(大きな山主はいません)が中心で、それにボランティアを加えた人々で構成されてます。

正式に名称を決め、さらに活動を決めました。
山主の人達は自分の山を少しでも保全していこうということが目的ですが、ボランティアの人々は少しでも市民に山の大切さを訴えていこうということ。
若干、思いに温度差を感じましたが、これからのいろいろな話し合いや活動の中で向かうべき道が見えてくると思います。

そういった話の中でいつも出てくるのは山が持つ環境性のこと。
特に滋賀県の山から出る水はほとんどが琵琶湖に注ぎ、汚すといけない。
山を守ることは琵琶湖を守ることという話が出てきます。

もちろん、それは正しい。
あたりまえのことですが、私はもっと進んで考えて欲しいと思います。

人間は空気を吸うだけでは生きていけない。
動物や植物を自分の食べ物として生きていくしかない。
それをどのような形で行うかで環境に大きな負荷を与えるということです。

エネルギーとして石油を使ったり、コンクリートや鉄を使って物を作ったりするより、木材と言う循環できる資源を使うことが非常に重要なのですが、そこのところはあまり話が行かないのです。

山を美しく保てても、採掘資源である石油などをじゃんじゃん使ったりするようでは、地球環境は守れない。
自然の恵みである木材を、いろんな意味で利用させていただき、自分達の生活を営むことが重要なのです。

山に入ると俗世間を忘れることができる。
それも重要ですが、里山というところは、人間の生活と自然がうまく交差するところでなければなりません。
全部資源として利用する針葉樹でもいけないし、全部広葉樹でもいけない。
広葉樹もただ生えているだけではなく、人が燃料なんかに利用する程度に手が入らないといけない。

今の社会形態ではそんなことを目標にしてもうまくいかないでしょうね。

山が悪いわけではない。
人間の生活の仕方が少しおかしくなっているのだと思います。

熱意のある人達が細々と山を守るだけでは、いつかは山はダメになってしまうでしょう(もうほとんどがそうなっているのかもしれません)。
山と共存する生き方、それに代表されるように、自然と共存できる社会に戻すことが重要なのです。

朝のテレビで、東京ゲートブリッジの開通が報じられていました。
そこから見る町の風景はすばらしいというコメントがなされていましたが、そういった感覚を変えなければならないと思います。
なぜ、海を埋め立てて、お金をかけて橋を作らなければならないのか。
そこから見える風景は本当に美しい風景なのか。
新しい東京タワーは本当に必要なものなのか。
そんな高い塔を作らなければならない社会がすばらしい社会なのか。

そんな塔や橋を新しい観光名所ができたと喜ぶことが本当に良いことなのか。

全国各地にある放置されている山を細々でも守ろうとする動きがありますが、それを壊そうとする社会の動きは早くて大きい。
社会のあり方を根本的に変えることができないと、日本の山も自然も私達の生活も守れないと思います。


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もう一度日本の山のことを考える
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