2009年12月31日

今年も終わり

もうすぐ今年も終わり。今年も終わり

年が変わるからといって本当は何が変わるわけではないのですが、一つの区切りですね。

今年は、伝統構法に特に深く関わってきました。
国の伝統構法の設計法の委員をし、毎月のように東京へ出かけました。
でも、中心で動いておられる研究者の方々は伝統構法というものをあまり正しく理解されていないと思われました。

今までだったら、実務者の意見を取り入れて設計法を作るということなどなかったことです。
国の官僚の方々と、研究者の方々が決め、大きな関係団体に一応お伺いし、法律や制度は出来たものですが、今回はそうではなかった。
それだけに、現場の実務者の考え方と研究者の方々との考え方の違いが鮮明になりました。

振り返ってみるとこの状況はむしろよかったのではないかと考えたりします。
流れるように実務者の考え方が取り入れられて法律や制度が出来れば、実務者のほうも深く伝統構法について考え直すということもなかったのではないかと思います。

伝統構法の意味は何なのか。
文化という面から伝統構法を考え、さらに伝統構法の持つ構造特性をしっかり考える。
こんなことが出来たのは、会議が紛糾したからでしょう。
もし、すんなり進められていたら、伝統構法がそのまま建て続けられるかもしれませんが、深く考えることはなく、問題がある伝統構法の建物も造られていくことになるでしょう。

今年の末に国会答弁で伝統構法の委員会の問題点が取りあげられ、委員会がストップしています。
委員会が再編され、良い形で再スタートされると思いますが、そこまで行ったことで、何が問題なのかがはっきりしてきたと思います。

研究者の方々に反論するために、関西でフォーラムを開いたり、東京でパネラーとして発言したりする中で、いろいろな思いが整理できたように思います。
12月には京都建築専門学校でパネラーをさせていただいたときに、最終的な考えが整理できたように思います。

伝統構法を伝統構法のファンのためだけに何とか守るのではなく、国民の財産として考える。
そのために必要なことは何なのか。
国民の財産ということはどういうことなのか。そんなことも考えなければならないと思います。

国民の財産ということは、国宝や重要文化財、伝統的建造物ということではありません。
日本の美しい風景を造る住まいをどう考えるのか。
持続可能な社会を考えたときに、住まいはどうあるべきなのか。

そういうことに対してすばらしい答えを持っているのが伝統構法なのです。
伝統構法が財産だと言うことはそういうことなのです。

そう考えると、単なる構法ではないということです。
伝統的な造りかたでなくても、この考え方にあう建物もあるでしょうし、伝統構法といいながら、それに反している場合もあるでしょう。


来年は、伝統構法を造り続けられるようにという考え方から、積極的に伝統構法を必要とする社会に出来るようにという考え方に進めたいと考えています。


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この記事へのコメント
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Posted by アシュトン at 2009年12月31日 12:38
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