2010年03月22日

木のこころ

「木のこころ」という言葉で思い出すことがあります。木のこころ

最近の木造住宅関係者では、西岡常一氏の「木のいのち木のこころ」という著書を思い浮かべる方も多いでしょうね。

私の思い出は、日本林業経済新聞社が1998年の9月から隔月間で発行された雑誌です。
「木のこころ」という雑誌は、日本林業経済新聞社の酒井哲夫さんという編集長が力を入れて作られたものです。

今日、祭日ということもあって、事務所の整理をしていた中で、再度見直して見ました。
酒井哲夫さんは、この「木のこころ」という雑誌を発行する半ばで死去されました。

雑誌の内容は酒井さんの木を思うこころがいっぱい詰まったもので、もう一度、木を日本の文化として取り戻したいという思いがつづられていました。
地域材を使おう、伝統の技を活かそうということが最近、特に良く使われるようになりましたが、この雑誌が発刊される頃の純な気持ちはどこかに消えてしまっているように思えます。

木材関係の新聞社の編集長でありながら、住宅のこと、木構造のことを広く扱われ、私たちが滋賀で木考塾という勉強会を始めた時期とも重なり、取材を頂いたり、講演をしていただいたり、酒井さんにはいろいろとお世話になりました。

この雑誌は酒井さんが死去されるまでの22号までは日本林業経済新聞社から発行され、その後は他の出版社に引き継がれましたが、23号以後の雑誌は単なる工務店の紹介本のようなものに成り下がり、中身がおもしろくなくなったので、購入することをやめてしまいました。

木の住まいや伝統的な技は誰のものなのか。
住まい手のものと言うより、造り手のものになってしまってはいないか。

地域材を使おう、私たちは匠の技を活かして住まいをつくりますなどの掛け声は、自分達がお客さんを獲得するためだけのものになっていないのか。今の木の家づくりを見ているとそんな気がしてしまいます。


当時の雑誌を読み返してみると、酒井さんが草葉の陰から、そんなこと、「木のこころ」じゃないよとおっしゃっているような気がしました。


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