2011年03月19日

ミリ・マイクロ・ナノ

テレビ番組でしきりに放射線の単位についての説明がされています。ミリ・マイクロ・ナノ

主に説明されているのはミリとマイクロ。
ミリはある単位の1000分の1のこと。
マイクロはそのミリのさらに1000分の1ですね。

私達の生活で一番身近なのはミリメートルですね。
ミリメートルはメートルの1000分の1ということです。

なぜそんないろいろな単位があるのか。
物事を解りやすくするためなのですね。

ミリで表現するとあまりに小数点がたくさん並ぶのでそれを1000倍して表現し、数値の変動をわかりやすくするということです。

今回の事故で、放射線が人体に影響あるかどうかを考える時、どうもミリ単位で大きな数字にならないと関係が無いようです。
日頃、放射線は自然界に漏れてはいけないものなので、マイクロ単位で計測し、その状況を管理するわけですが、その数値が少々変動することは人間に影響があるかどうかではマイクロ単位の中ではほとんど代わりが無いということです。

こんな話を聞いていると、高校時代の地学の先生の話を思い出します。
宇宙の話を計算するとき、いろいろ計算するのだけれど単位が間違っていれば全く意味がないと話をされていました。

例えば答えが10954だとします。
計算してどこかで間違って109.54という答えが出たとします。
どこかで単位が間違ったことで100分の1小さな値になってしまったのですね。
だからこの答えを出した人は計算式などはすべて理解しているが、どこかでうっかりしてしまったわけです。
こういったときにおおよそ理解しているように思えるので部分点をあげようなんて話になることもあると思いますが、その先生は完全に×。
逆にどこで間違ったか解らず、本当に計算の公式を理解しているかどうかわからないような答えでもおおよその概数が合っていれば少し部分点をあげていました。

10954と答えするところ、9840とか20345とか何の意味か解らない数字でも、おおよその概数が違っていないほうが意味があるのだとおっしゃっていました。

本当は公式もちゃんと覚えていてうっかり間違った人のほうが理解度は高いと思いますが、社会に出た時、理解しているかどうかよりも、大きく間違わないことのほうが意味がある場合があるということを教えたかったのだと思います。

実際の例をお話します。
私はポリテクのいう近江八幡にある短大で木造の構造設計の非常勤講師をしています。
そこで学生に計算をさせると、途中の答えは先ほどのように桁が違うが答えの数字は同じようなものが並んだ答えを書いてくる場合が良くあります。
計算する時に単位を間違っているからです。

何のために計算するのかというと、いろいろ計算して出た答えを次の計算する式に代入し、さらにその答えをまた違う式に代入したりして最終の答えを出します。

すると、どこかで単位を間違うと出てくる答えはとんでもない数字になります。
一回目の答えは桁は違うが似たような数字が並びますが、次からの計算の答えはとんでもなく違うものが出てきます。
特に値の2乗に比例したりすると、単位の違いはさらに影響がおおきくなります。

それで出てきた答えは全く違うとんでもないもの。
絶対大丈夫な建物の柱の安全性を計算してもNGがでたりします。
計算式ばかりに目が行き、計算しなければ絶対大丈夫という判断ができるものでも、単位を間違っているにも関わらず計算して出た答えを盲目に信用してしまう恐ろしさがあったりします。

今回の放射線の問題も同じでしょう。
人体に影響があるかどうかはマイクロの世界では数値の大きさは関係がない。
でも地域によってマイクロの数値に違いが出るのはなぜなのか。
それは研究レベルであったり、復旧作業に関わっている原子力関係者には意味があるのです。
その値が出た原因を考えることにより何が起こっているのか。そういうことが考えられるわけですね。

皆さんの世界でも同じですね。
硬貨を1000枚もらいました。
そう言われてもそれは1円玉ですか500円玉ですかと聞くでしょう。
500円玉なら生活に潤いが出ますが、1円玉ならうれしいですがそう大きな影響はない。

単位と言うのは大きな影響があると言うことですね。

私は理系の人間だと思っています。
建築設計をする人の中には理系の人と感性から入るどちらかと言えばデザイン系の人がいます。

住まいを設計する時に安全性、快適性、省エネ性能などを常に考えながらプランをつくり、しかもカッコいいものを作ろうとするのか、それとも、まず使いやすくデザインが良いものを考え、それからそのプランを活かせる範囲で安全性などを考えるというようなやり方です。

私の事務所の人間は後者のようなやり方はできません。
できるだけ安全に、しかも省エネ性能なども保ちながらしかも快適でカッコいい家を作る。
これは簡単なことではないのですが、こういった地震に襲われた時は意味が出てくると思います。

少し話がそれましたが、住まいを造ると言うことはいろいろ考えなければならないことがたくさんあると言うことです。

細かな部分にこだわりすぎて、大きな状態をつかめない。
これは大変なことであると思わなければならないということです。


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