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2013年10月23日

町家や武家屋敷の建築基準法適用除外

今朝の新聞記事に、町家や武家屋敷の増改築で建築基準法の適用が除外されることが書かれていました町家や武家屋敷の建築基準法適用除外

皆さん、この記事を見てどう思われるでしょうか。

この適用除外は、レストランや宿泊施設に活用しやすくするためのものだそうです。

私はそう聞くと、それで良いのかと思います。

確かに、町家や武家屋敷などに対して、建築基準法が厳しすぎる面もあります。
耐震については、現在の建築基準法は伝統建築を正しく評価できない状態です。

だからと言って、法律の改正ではなく、レストランや宿泊施設に使いやすくするために、適用除外という形で話を進めるのは間違っていると思います。

古民家や町家は人気が高く、雰囲気も良いのはわかりますが、明らかに耐震性などに劣るようなものも店舗で活用されたりしています。

また、古民家鑑定士などといった建築的な評価ができない資格なども一人歩きしています。

そんな状態で、不特定多数が利用するレストランや宿泊施設に利用するというのは絶対間違いだと思います。
伝統構法の建物は強いと主張する人も多いですが、ほかの建物と同じく【強い建物も弱い建物もある】ということです。

既存の建物をその所有者が自己責任で利用するならいざ知らず、不特定多数の人に利用できるようにするには、一定のチェックが必ず必要だと思います。

日本は経済優先の社会。
レストランや宿泊施設にうまく利用できるなら、少々問題があっても構わないなんて考え方です。

伝統構法の建物が、現在の基準法で適切に評価できないのが問題であって、味のある建物なら何でも大丈夫というわけではありません。

昨年までの5年間、実大実験も含め伝統構法の安全性を検証する委員会が開催されました。
その結果も十分活用されることなく、レストランや宿泊施設に活用しやすくするため適用除外にしようなんて問題だと思います。

日本の木造関係(特に伝統構法)の技術者が馬鹿にされたような話です。

安易な判断をし、大きな人災を起こさないように注意が必要だと思います。


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