2008年07月09日

介護

先日のテレビで男性の介護の問題が取り上げられていました。
ご主人とかではなく、未婚の息子さんが介護しているケースです。
働きざかりなのに、お母さんの介護のために職を止めてしまわざるを得ない状況。
自分の将来など考える余裕もなく、目の前の介護に奮闘する毎日。
経済的に苦しい生活も加わって、疲れ果て、お母さんの命を絶ってしまおうかと何度も思ったとのこと。

なんで、ヘルパーさんを頼んだり、特別養護老人施設に入所させないの?とか言われるが、
まず、施設はいっぱいで、何百人という人が順番待ちの状態。
ヘルパーさんを頼むといっても、いくら働いていても経済的に続かない。
働いていても家からいつ呼び出しがあるかわからないので、職場での立場が悪くなる。
そういったことを認めてくれる職場もない。
そうすると、生活保護を受けながら自分が見るしかない。
24時間介護は、孤独でつらい。
お金がない→自分で介護→働けない→お金がないの悪循環。
お母さんだけでなく、息子さんの将来にも希望も何もない状態です。

一方、昨日の新聞には、訪問介護のヘルパーさんの話が掲載されていました。
息子さんと同居されている女性宅へうかがうと、足が悪いので、いつも一日中テレビを見て過ごされている。出る言葉は「しんどい」だけ。
息子さんは、早朝から深夜まで仕事で、「昼間独居」。
できれば一緒に味噌汁一品調理してあげるだけでもいいから、生活意欲を取り戻してもらえるようなことがしてあげたい。
でもケアプランにないサービスはできない。
週二回入浴介助をするだけの利用なので、それ以外の支援ができない。
勝手なことをすると、自治体が不適切なサービスと判断し、訪問介護事業所は介護報酬を返還しなければそうです。

他のケースで紹介されていた病院への通院介助という利用でも、できるのは病院の前までの見送り。
病院内での付き添いは基本的に認められていないそうです。なんだか変ですよね。

じゃあ、なんでプランに盛り込んでいないの?と思うのですが、
どんな形であれ、同居している家族がいると調理や洗濯などの生活援助ができないそうです。それでも無理を承知で、必要と感じてプランに盛り込んでも返還になると困ると事業所に断れることもあるとか。

厚生労働省は、去年の12月に「同居家族がいるからと、一律に生活援助を制限すべきでない」との通知を出したそうですが、各自治体で判断する「やむを得ない場合」という条件が厳しく、またあいまいなのだそうです。

どちらも心が痛くなる情報です。
年金もちゃんともらえるかどうかわからない状況。
明日は我が身。
私たちの老後はもっとひどい状況になるような気がします。

悪巧みする人に合わせて、できるいろんな決まり。
それによって、本当に必要なこと、大切なことが見失われてしまう今の社会。
なんとかしたいものです。 


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